【動画】【軽減税率対応】エクセルで請求書・見積書を作成する方法
この動画では、エクセルで請求書を作成する方法について紹介します。
この動画で作成する請求書の特徴は、
- 振り込み情報が上にまとまっていて、請求先の担当者が見やすいことと
- 内容ごとに消費税率を指定することができるので、非課税や軽減税率などの請求にも対応できることとです。
使い方としては、
- 摘要(てきよう)欄に請求する商品やサービスの内容
- 単価(税抜)の欄には1つあたりの税抜の単価
- 数量の欄には、商品やサービスの数量
を入力すると、自動で単価×数量を計算し、税抜の金額が算出されます。
次に
- 消費税率を
入力すると、その消費税額が表示されます。
複数の請求情報を入力していくと、
- 各税率ごとの税抜金額と消費税額
- 税抜金額の合計と
- 消費税額の合計
- そして最後に請求金額までが自動で算出されます。
それでは早速作成していきましょう。
目次
ページレイアウト
今回、作成する請求書はA4サイズで印刷して使用することを想定していますので、まずはサイズの調整を行います。上のページレイアウトタブのサイズをクリックして、A4をクリックします。すると、A4サイズが点線で表示されます。この点線を超えると2ページ以上の請求書になってしまうので、1ページで抑えるためには、この点線を越えないように請求書を作成していきます。
ちなみにこの動画では、
- 余白は標準
- 印刷の向きは縦
に設定しています。
エクセル方眼紙
次に、列幅を調整して、セルを方眼状にします。
複数列を同時に調整するためには、調整したい範囲の端の列名をクリックした後、もう片方の端の列名をShiftキーを押しながらクリックして、列幅を調整したい範囲を選択します。今回は、A列からZ列を選択します。
次に、選択した列のどこかの境目をクリックしながらドラッグします。
すると、列幅を表す数字が2つ表示されます。
- 括弧に入ってない数字は、文字数を表し
- 括弧に入ってる数字の単位は、ピクセル数を表します
ここでは30ピクセルにすることで、各セルが正方形になり、方眼状にすることができます。
項目名・仮データ
次に、各項目名と各計算や集計が正しく行われるかを確認するために仮の情報を入力していきます。
(先に全ての情報を入力してしまった方が、配置の感覚が掴みやすいです)
右へ情報を入力していく際は、Tabキーを押すと、セルの入力を確定して選択セルを右に移動することができるので、素早く入力することができます。
連続した数字を入力したい場合は、2つ数字を入力して、その2つのセルをドラッグで選択した状態で、セルの右下の小さい四角をドラッグすることで入力することができます。
保存
ここで一旦Ctrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存します。SaveのSと覚えると覚えやすいです。
任意のファイル名と保存場所を指定しておきます。
レイアウト調整
次にレイアウトを調整していきます。
ハイパーリンクの解除
電話番号がリンクになっていて、クリックすると電話がかかる設定になっているので、右クリックからハイパーリンクの削除でリンクを解除しておきます。
セルの結合
次にセルを結合します。
セルを結合したい場合は、結合したいセルを選択した状態で、上のホームタブの、配置グループから任意の結合メニューを選びます。
同じ操作を繰り返す場合はCtrlキーを押しながらYキーで繰り返すことができるので、素早く設定していくことができます。
横方向のセルの結合を一度に複数行設定したい場合は、その範囲をドラッグで選択した状態で、横方向に結合をクリックします。
横方向のセルの結合を複数範囲で、設定したい場合は、1つ目の範囲をドラッグで選択した状態で、2つ目以降の範囲をCtrlキーを押しながらドラッグすると、複数範囲を同時に選択することができるので、この状態で、横方向に結合をクリックします。
配置
次にセル内の文字の配置を変更します。
セル内の文字の配置を変更したい場合は、変更したいセルを選択した状態で、上のホームタブの、配置グループで変更することができます。
配置も複数範囲で設定したい場合は、1つ目の範囲をドラッグで選択した状態で、2つ目以降の範囲をCtrlキーを押しながらドラッグして、複数範囲を同時に選択した後、設定していきます。
フォントサイズ
次に、文字のサイズを変更します。
変更したいセルを選択した状態で、上のホームタブのフォントグループで変更することができます。
この動画では、請求書の文字を28に設定します。
罫線
次にセルの境目に線を引いていきます。
エクセルではセルの境目のことを罫線といい、罫線を黒色にすることで、線を引くことができます。
罫線の書式を変えるには、まず書式を変えたい罫線の隣接するセルを選択します。
セルを選択できたら、上のホームタブのフォントグループの罫線メニューで罫線の書式を変更することができます。今回は下側に罫線を引きます。
こちらも複数範囲を一度に設定する場合は、1つ目の範囲を選択した後、2つ目以降の範囲をCtrlキーを押しながらクリックして、複数範囲を選択した状態で、設定します。
ページの境目は点線のため、罫線が反映されていないように見えますが、Ctrlキーを押しながらPキーを押すと、印刷時のプレビューが表示されて、罫線を確認することができます。プリントのPと覚えます。
小計と合計は分かりやすいように上下の罫線を太線にしておきます。
背景色
背景色を変更するには、変更したいセルを選択した状態で、上のホームタブの、フォントグループで変更することができます。
背景色も、複数範囲で設定したい場合は、1つ目の範囲をドラッグで選択した状態で、2つ目以降の範囲をCtrlキーを押しながらドラッグして、複数範囲を同時に選択した後、設定していきます。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
金額(税抜)
次に、単価と数量を掛けて税抜金額を算出します。
=M18*P18
と入力します。
エクセルでは掛け算はアスタリスクを入力します。
入力できたら、そのセルを選択した状態で、セルの右下の小さい四角をドラッグして他の行にも適用することができます。
すると、情報を入力していない行が0と表示されてしまうので、数式を変更して非表示にしていきます。
数式の1行目のセルをダブルクリックするか、そのセルを選択した状態でF2キーを押して、セルを編集モードにします。
イコール以降の数式を選択した状態で、Ctrlキーを押しながらXキーを押して切り取ります。
そのまま
=IF(M18=””,””,
と入力して、Ctrlキーを押しながらVキーを押して貼り付けます。
そのまま
)
と入力したら、Enterで確定します。
入力できたら、そのセルを選択した状態で、セルの右下の小さい四角をドラッグして他の行にも適用します。
すると、情報が入力されていない行の0を非表示にすることができました。
IF関数は、指定した条件に応じて処理が変わる関数です。
- 1つ目の引数に、条件
- 2つ目の引数に、その条件を満たした時の処理
- 3つ目の引数に、その条件を満たさなかった時の処理
を入力します。
ダブルクォーテーションはエクセルで、セル名や計算用の数字以外である文字を処理したい時に、その文字を挟んでつかいます。ここでは、ダブルクォーテーションの間に何も入っていないので、何も無いという意味になります。
つまり、今回の数式は、M18セルが空白だったら、何も表示しない、そうでなければM18*P18を表示する
という意味になります。
新たに情報を入力すると、自動で単価×数量が計算され表示されるようになっています。
Ctrlキーを押しながらZキーを押して元に戻します。元に戻しすぎた場合はCtrlキーを押しながらYキーでもとに戻る前の状態に戻すことができます。YarinaoshiのYと覚えます。
罫線が上書きされてるので、設定しなおしておきます。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
消費税
次に、税抜金額と税率から消費税を算出します。
消費税は、税抜金額*税率/100なので
=R18*(V18/100)
と入力します。
エクセルでは割り算はスラッシュを入力します。
入力できたら、そのセルを選択した状態で、セルの右下の小さい四角をドラッグして他の行にも適用します。
すると、情報を入力していない行にエラーが表示されてしまうので、数式を変更していきます。
数式の1行目のセルをダブルクリックするか、そのセルを選択した状態でF2キーを押して、セルを編集モードにします。
イコール以降の数式を選択した状態で、Ctrlキーを押しながらXキーを押して切り取ります。
そのまま
=IF(M18=””,””,
と入力して、Ctrlキーを押しながらVキーを押して貼り付けます。
そのまま
)
と入力したら、Enterで確定します。
入力できたら、そのセルを選択した状態で、セルの右下の小さい四角をドラッグして他の行にも適用します。
すると、情報が入力されていない行のエラーを非表示にすることができました。
先ほども出てきましたが、IF関数は指定した条件に応じて処理が変わる関数です。
今回の数式は、M18セルが空白だったら、何も表示しない、そうでなければR18*(V18/100)を表示する
という意味になります。
新たに情報を入力すると、自動で税抜金額×消費税率÷100が計算され表示されるようになっています。
Ctrlキーを押しながらZキーを押して元に戻します。元に戻しすぎた場合はCtrlキーを押しながらYキーでもとに戻る前の状態に戻します。
罫線が上書きされてるので、設定しなおしておきます。
桁数
次に割り切れなかった際に表示される小数点以下の表示桁数を調整しておきます。
表示桁数を変更するには、変更したいセルを選択した状態で、上のホームタブの、数値グループから変更することができます。
この動画では、小数点第一位まで表示します。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
各税率ごとの税抜金額
次に、税抜金額を税率ごとに合計して算出します。
各税率ごとの税抜金額を合計するには、
=SUMIFS(R18:R30,V18:V30,P31)
と入力してEnterで確定します。
SUMIFS関数は、指定した条件を満たす数字だけを全て足すことができる関数です。
1つ目の引数には、合計する数字の範囲
2つ目の引数には、条件を判定する範囲
3つ目の引数には、条件
を入力します。
ここでは、
V18セルからV30セルの範囲から
P31と同じである行の
R18セルからR30セルの数字を全て足す
という意味になります。
数式を入力できたら、他の税率の税抜金額もコピーして算出できるように、行に絶対参照を設定します。
絶対参照について詳しく知りたい方は、他の動画で紹介してるので参考にしてみてください。
ダブルクリックか、そのセルを選択した状態でF2キーを押して編集モードにしたら、範囲を指定する引数の行番号の前に、ドル記号を入力します。
入力できたらEnterで確定して、そのセルを選択した状態で、右下の小さい四角をドラッグして、他の行にも適用します。
すると、他の税率の税抜金額も算出することができました。
罫線が上書きされてるので、設定し直します。
税抜金額の合計
次に税抜金額の合計を算出します。
税抜金額の合計を算出するには
=SUM(R31:U33)
と入力します。
すると税抜金額の合計を算出することができました。
SUM関数は、引数に指定した数字を全て足すことができる関数です。
今回の場合、R31セルからU33セルの範囲の数字を全て足すという意味になります。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
各税率ごとの消費税額
次に、各税率ごとの消費税額を算出します。
消費税額は、税抜金額*税率/100で算出できるので、
=R31*(P31/100)
と入力します。
入力できたらEnterで確定して、そのセルを選択した状態で、右下の小さい四角をドラッグして、他の行にも適用します。
すると、他の税率の消費税額も算出することができました。
ここで、小数点以下の端数処理を行います。
消費税は小数点以下を切捨てて端数処理をすることができます。
商品ごとの切り捨ては認められていませんが、納品書毎や請求書毎、各税率ごとの切り捨ては認められます。
今回の場合、
- 請求書毎に端数処理を行うか
- 各税率ごとに端数処理を行うか
選ぶことができますが、各税率ごとに端数処理を行った方が請求額が少なくなるため、今回は各税率ごとに端数処理を行います。
数式を入力したセルをダブルクリックするか、そのセルを選択した状態でF2キーを押して、セルを編集モードにしたら、イコール以降の数式を選択した状態で、Ctrlキーを押しながらXキーで切り取ります。
切り取ったら、
ROUNDDOWN(
と入力して、Ctrlキーを押しながらVキーで切り取った数式を貼り付けます。
R31*(P31/100)
そのまま
,0)
と入力してEnterで確定します。
入力できたらそのセルを選択した状態で、右下の小さい四角をドラッグして、他の行にも適用します。
これで、各税率ごとの消費税額を算出し、小数点以下を切り捨てして端数処理ができました。
ROUNDDOWN関数は、桁数を指定して、切り捨てすることができる関数です。
- 1つ目の引数に、切り捨てする数字
- 2つ目の引数に、残したい桁数を入力します。
2つ目の引数である残したい桁数は、
- 十の位を残したい場合は-1
- 一の位を残したい場合は0
- 小数点第一位を残したい場合は1
- 小数点第二位を残したい場合は2
を入力するというように決まっています。
今回の場合は、小数点第一を切り捨てして、一の位を残したいので0を設定しています。
罫線が上書きされてるので、設定し直します。
税抜金額の合計
次に消費税額の合計を算出します。
消費税額の合計を算出するには
先ほど使ったSUM関数を使って、
=SUM(X31:Z33)
と入力します。
これで、消費税額の合計を算出することができました。
請求金額
次に、税抜金額の合計と消費税額の合計を足して、請求金額を算出します。
こちらもSUM関数を使って、
=SUM(R34,X34)
と入力します。
すると、税抜金額の合計と消費税額の合計を足して、請求金額を算出することができました。
先ほどは、隣接した範囲のセルを合計しましたが、今回は離れたセルなので、カンマで区切って入力しています。
これは、R34セルとX34セルの数字を足すという意味になります。
ホームタブのフォントグループから文字のサイズを調整しておきます。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
表示形式
次に、数字に単位をつけていきます。
金額
まずは、金額を表す数字に、円記号をつけます。
金額を表すセルを選択します。1つ目の範囲を選択したら、2つ目以降はCtrlキーを押しながら選択します。
選択できたら、上のホームタブの、数値グループのこのアイコンをクリックします。
すると円記号をつけることができました。
実際に入力されているデータは数字のみですが、表示上のみ単位がついています。
このように表示上の形を設定する機能を表示形式機能と言います。
%
次に、表示形式機能を使って、税率を表す数字に%をつけます。
税率を表すセルを選択します。1つ目の範囲を選択したら、2つ目以降はCtrlキーを押しながら選択します。
選択できたら、上のホームタブの、数値グループの、プルダウンメニューからその他の表示形式を選択します。
すると、表示形式を設定するメニューが表示されます。
ここでは、ユーザー定義を選択して、種類の欄に0”%”と入力します。
これで、数字の後ろに%をつけるという意味になります。
設定できたらOKをクリックします。
これで、税率を表す数字に%をつけることができました。
以上で、請求書は完成です。
保存
ここでCtrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
印刷・PDF書き出し
印刷する場合や、PDF形式で出力したい場合は、Ctrlキーを押しながらPキーを押します。プリントのPと覚えます。
デフォルトの設定では、全体の情報が左上に寄っている場合があるので、ページ設定から余白タブを開いて、ページ中央の水平と垂直にチェックを入れた状態にしておきます。
これで、全体の情報が中央に寄せられます。
気になる点があれば、各種設定を行い、設定が終わったら、プリンターの欄で出力先のプリンターを選びます。
PDF形式で出力する場合は、Microsoft Print to PDFを選択します。
今回はPDFで出力します。
最後に、印刷をクリックすると、PDFファイルの保存先の選択画面が表示されます。
任意の保存先を選択して、ファイル名を設定したら、保存をクリックするかEnterを押します。
これで請求書ファイルをPDF形式で出力することができました。
削除
最後に、仮で入力したデータを削除しておきます。削除したいセルを選択します。追加で選択する場合はCtrlキーを押しながら選択します。
この時に数式が入ったセルは選択しないように気をつけてください。
選択できたらDeleteキーを押して削除します。
保存
削除できたら、Ctrlキーを押しながらSキーを押して、ファイルを保存しておきます。
おわり
以上がエクセルで請求書を作成する方法でした。